2005年 09月 22日
ハービー・ハンコックの新譜を見ると、ざっと誰と共演しているのかをチェックして ついつい買ってしまいます。 今回は、サンタナ、スティング、ポール・サイモンそれにクリスティーナ・アギラ ジョン・メイヤー、ジョス・ストーンと、まさにスーパー・コラボレーションなんですけど、 その中で、おや?と思ったのがダミアン・ライス&リサ・ハンガンのこの歌 ♪Don't Explain ドント・エクスプレイン です。 あのビリー・ホリディの歌として有名な歌がクレジットされていて、なんでまた? このアルバムはハービー・ハンコックが、この歌手にはこの歌を・・・という風に あれかじめ用意して共演を希望したらしいのですけど、この♪Don't Explainは どういう経緯で選曲したのかわからないんですけど、 この歌を聞くと思い出す映画があります。 「ジブラルタル号の出帆」 Rocket Gibraltar (1988)日本未公開 主演は晩年のバート・ランカスターで、この老人の77歳の誕生日に孫や家族が お祝いをするために、老人の住むロング・アイランドに集まってきて、いろんな 交流と、老人の最後の願いを叶えようとする孫との愛を描いています。 この老人がビリー・ホリディが好きで、昼寝をしている時に流れたり、孫たちに ビリー・ホリディの話をしたりします。 孫のひとりが、マコーレー・カルキンでデビュー作です。 ランカスターからヴァイキングが死んだら、死体を船に乗せて海に浮かべ 浜辺で焚き火をしながら船に火をかけて見送り、祝う。 その話に感動していた孫たちは、フレッド・アステアのビデオを見ながら 眠るように息をひきとった老人の遺体を孫たちが運び出し ジブラルタル号に乗せて、夕焼けの海に出帆させます。 そこに火のついた矢を放つ、が、なかなか命中せずに、大騒ぎの親たちが到着した時に、 一本が命中して船は燃え上がる。 このクライマックスの場面は、美しく切ない感動的で詩的なシーンです。 そこにバート・ランカスターのナレーションが流れます。 『 海が人生のすべてだった 海と船だ を祝うために・・・ 海に燃える炎・・・・ 伝説では沈み夕日と 燃える船の色が同じなら 彼はいい人生を送ったと言い 来世では 天国へ行くと・・・ 日が昇る頃 あるのは灰だけ 完全な消滅だ 潮に乗って地球の隅々へ 清々しく 美しく 消えてなくなる 夢のように 』 このナレーションが終わって、静かにビリー・ホリディの♪Don't Explain が流れます。 今ならミニシアターで公開してくれそうな秀作なんですけど、劇場では公開されずに ビデオのみの発売でした、現在は廃盤です。 BSとかスカパーなんかで、このタイトルを見つけたらぜひ見てください。
by masoon
| 2005-09-22 23:09
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